【コラム】ADRの認証機関ってなにが違うの?

ADRには、さまざまな種類のトラブルを扱う機関が存在します。

かいけつサポートの分類によると、以下のようなジャンルに分けることができます。
※かいけつサポートHP
http://www.moj.go.jp/KANBOU/ADR/

民事一般
民事に関する紛争(全般)
民事に関する紛争(紛争の価額が140万円以下のものに限る。)
民事に関する紛争(全般(ただし、登記手続関連の家事事件以外の家事事件を除く。))

商事一般
商事に関する紛争
下請取引に関する紛争

知的財産
知的財産に関する紛争
ソフトウェアに関する紛争
商標法及び不正競争防止法における侵害行為に関する権利者と業者間の紛争

消費者
日本国内において締結された、旅行業を営む事業者と消費者との旅行契約に関する紛争及び
ホテル営業、旅館営業又は簡易宿所営業を営む事業者と消費者との宿泊契約に関する紛争
商品の欠陥に関する紛争(自動車・家電)
留学に関する紛争
ブランド品に関する売買契約紛争
特定商取引に関する紛争

事業再生
事業再生に関する紛争

事業承継
中小企業の事業承継に関する法的紛争

金融・保険
金融商品に関する紛争
共済契約に関する紛争

労働
労働関係紛争

医事紛争
医事紛争

生活環境
土地の境界に関する紛争
不動産の価格に関する紛争
外国人の職場環境等に関する紛争
愛護動物に関する紛争
相続、婚姻関係、金銭の貸借及び交通事故による損害賠償に関する紛争
(旭川地方・家庭裁判所及び札幌地方・家庭裁判所の管轄内に居住する者である場合)
マンションに関する紛争
敷金返還等に関する紛争
不動産賃貸借に関する紛争

交通
自転車事故に関する紛争
自転車事故又は自動車の物損事故等に関する紛争

家事
外国人を当事者とした夫婦と親子に関する紛争
夫婦関係等に関する紛争
相続に関する紛争

スポーツ
スポーツに関する紛争

エネルギー
電力系統の利用に関する紛争

これは認証を取得している機関の一覧ですから、認証を取得していない機関もあわせるとさらにさまざまなトラブルが、ADRによって解決を図ることができると言えます。

さて、認証を取得している機関とそうでない機関、どんな違いがあるのでしょうか?

まず、民間機関が、各自で独自のADR運営を行うとなると、やはり業務が適正かどうかが不明確となります。そこで、業務の適正さを確保するための一定の要件を定めて国(法務省)が、これに適合していることを確認する仕組みをつくりました。これが認証制度です。

認証を受けた事業者で行うADRには、認証を受けていない事業者が行うADRと比べて、以下のような違いがあります。

・認証業務であることを独占して表示することができる
・弁護士以外でも、報酬を得て和解の仲介の業務を行うことができる
・時効が中断する
・訴訟が並行している場合に、裁判所の判断により訴訟手続を中止することができる
・裁判所の調停を経なければ訴えの提起ができない原則のある事件について、当該原則を適用しないことができる

また、認証を取得している機関であれば、業務の適正性が最低限満たされていることが確認されているため、安心してお願いしやすくなりますね。

日常生活で誰かとトラブルになり困ったときには、認証を取得したADR機関の利用を検討してみるのも、ひとつの方法だと思いますよ。

行政書士ADRセンター東京は、30番目の認証機関です。