先日、ある動画を観ました。
動物愛護精神と適正飼養を広く普及啓発するために、東京都が制作したものです。
(『犬を飼うってすてきですーか?』YouTubeで観ることができます。
小学生の男の子が主人公のアニメ仕立てで、犬を飼うことの素晴らしさと同時に、飼い主としての責任について分かりやすく伝える作品です。
犬の飼い主になることに憧れている峻太郎が、子犬を手に入れるところからストーリーは始まります。
最初は飼うのを渋っていた両親ですが、結局は峻太郎の熱意に負け、約束事を決めた上で許します。
…ところが。
案の定、犬を飼うことは容易ではありませんでした。
言うことは聞かないし、飼い主の都合も考えず自由気ままに振る舞う子犬に
とうとう峻太郎は「もう犬なんていらない!」と音を上げます。
そこで峻太郎は新しい飼い主を探しますが、見つかりません。
動物愛護相談センターに相談するも、世話が大変だからという理由では引き取ってもらえません。もちろん捨てることは許されません。
そのとき初めて
「一度動物を飼い始めたら、やめることはできない」
「飼うのをやめるということは、殺すのと同じ」
と気づくのでした。
そんなとき、大変な子育てを経験してきた峻太郎の両親が温かくサポートしてくれます。
家族みんなで猛勉強し、根気強く犬をしつけることにしました。
とても大変な道のりでしたが、家族が共に悩み、試行錯誤し、協力することで、最終的には乗り越えられたのです。
この動画の一番のおすすめポイントは、全体に流れる冷静で客観的なトーンです。
「たいていの犬は名犬になどなれず、期待はずれなんですよ」
「一所懸命世話をしても、誰も褒めてくれません」
「犬よりも先に死んでは困ります」
など、犬を飼うことに夢を抱き、希望で胸を膨らませている人に対しては、なかなか言いづらい厳しい言葉が並びます。
と同時に、しつけのコツや、困った時どうすれば良いかという具体的なアドバイスも盛り込まれ、「動物を飼うことで得られるかけがえのないもの」についても触れています。
本当の意味で、愛にあふれた動画だと感じました。
じつは子どもの頃、私は峻太郎のように両親を説得して一匹の犬を飼い始めました。
ところが…。
恥ずかしながら世話をしたのは子犬時代の数年のみで、その後はほとんど母親任せでした。
幸い、忍耐強く責任感の強い母が、最後まで面倒をみてくれましたが…。
私の外出中に息を引き取った犬は、いまでも時々夢に出てきます。
もし、お子さんが「ペットを飼いたい!」と言い出したら、
ぜひこの動画をご家族全員でご覧になってみてはいかがでしょうか。
きっと小さな子どもにもペットを飼う責任とはどういうことか理解してもらえると思います。
ただ、これは大人である私たちこそ観るべき動画かもしれません。