東日本大震災の起こった2011年3月11日から,もうすぐ6年が経とうとしています。
当時震災を経験した外国人に話を聞いてみると,「地震のない国から来たので,揺れが怖かった。」 といった地震に不慣れゆえの恐怖とともに, 「日本語の避難指示が読めなくて,困った。」「日本語で報道される震災の状況がすぐに把握できず不安だった。」 など,日本語がよくわからないゆえのつらさを思い出す方がいるようです。
外国人にとって,災害時に,日本語がわからないために必要な情報を得られないのは,まさに命に関わる問題です。
また,外国語がわからないために外国人に必要な情報を伝えられないのは,同じ地域に暮らす日本人にとっても問題です。
震災を教訓に,福島県は日本語が苦手な外国人を対象にSOSカード(ひらがなや英語を添えたイラストのカード)を作成したとのことですが,お互いの言語がよく理解できなくても最低限の意思の疎通ができるように,備えておく必要があるでしょう。
なお,公益財団法人仙台観光国際協会が,地震について知識や経験のない外国人住民を主な対象として,地震に対する備えや地震が発生した場合の対応について説明した多言語防災ビデオ,【ダイジェスト版】「地震!その時どうする?」をYouTubeで公開しています。
学校や職場に外国人のいる方は,こうしたビデオを参考に,外国人と避難訓練や,地震が発生したらどう行動するかについての話し合いを行うと良いかもしれません。
備蓄や非常用持ち出し袋と同じように,「地震に備えて,日本人と外国人でともに行動したことがある」という経験も,いざという時に心強い備えになります。