自転車事故に関するトラブルトピックス

【コラム】『ながらスマホ』で有罪

スマホを操作しながら自転車を運転する「ながらスマホ」で歩行者と衝突する事故が急増している。昨年全国で45件発生、10年前に比べて3倍以上増加した。

昨年12月川崎で、当時大学生(20)だった女性はイヤホンをつけて音楽を聴き、スマホと飲み物を持ちながら電動自転車に乗り、歩行者専用道路を歩行中の女性(77)に衝突、2日後に脳挫傷で死亡させるという事故がおきた。

今年8月27日横浜地裁川崎支部は、禁固2年、執行猶予4年の判決を言い渡した。事故時の時速が9キロと比較的低速であったことや、被告家族が加入する保険で相応の被害賠償が見込まれることなどを考慮して、執行猶予付きの判決となった。

民事においては、高額な損害賠償責任を負わされる自転車事故が増加し社会問題化してきました。自転車は「軽車両」と定義され、その走行は「車道が原則(法17条)歩道は例外」その例外として①「歩道通行可」の標識や道路標示がある場合 ②13歳未満や70歳以上の者、身体障害者が走行する場合 ③車道又は交通の状況から自転車の通行の安全を確保するために歩道を走行することがやむを得ない場合 (法63条の4各号)に自転車は歩道を走行することができると平成20年改正されました。しかし自転車に乗る者の「歩道を走っても構わない」という認識はあまり変わることはありませんでした。

このような「自転車は歩道を走っても構わない」という認識は、今回の悲惨な事故にもみられるところであります。

歩行者・自転車は対自動車との関係で「交通弱者」でありますが、自転車は対歩行者との関係で「交通強者」といえます。お酒を飲んで自転車を運転すれば「酒酔い運転」(法65条1項)で、5年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます。

自転車は「軽車両」であることを自覚して、楽しく自転車を利用してもらいたいものです。

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