年末から翌年3月にかけての期間は、進学や就職、転勤などに伴い、一年のうち最も引っ越しが多くなります。そのため、引っ越しに伴うトラブルも増加します。引っ越しが決まったら、今後のトラブルを防ぐために必ずしておきたいことは何でしょうか?主に次の3つが挙げられます。
(1)契約書の内容をしっかりと確認!
(2)物件の明け渡しの際は、必ず立ち会う。
(3)敷金の精算は、内訳書・明細書をチェック!
(1) いつまでに解約の申し出をしなくてはいけないか?どのような方法で申し出をする必要があるのか?契約書を見直して確認するとよいでしょう。
一般的に、個人が住宅を借りた場合には、借主は1ヶ月前までに、貸主に対して、書面で解約を申し出なければならないとされています。契約の内容に従って、期日までに解約の申し出をしましょう。うっかり予告期限を過ぎて退去を申し出た場合には、申し入れの日から起算してその予告期間相当の日までさらに家賃を支払うことになってしまいます。
また、解約の申し出は、後で言った言わないトラブルになることを防ぐためにも、電話連絡ですませず、必ず書面で申し出ることが大切です。不動産会社によっては、契約書に解約申出書を添付していることがありますし、予め郵送で所定の書類を送ってもらいましょう。電話連絡した上で郵送やFAXで書面を送っておけば安心です。
(2)解約の申し出をすませたら、次は、物件の明け渡しと立ち会いはどうするのかという点を考えてみましょう。
「仕事で忙しくて立ち会いができない」「面倒くさい」などの理由で立ち会いをしないのは、非常に損なことです。物件の状態を確認し、原状回復の負担割合を決めるのは真にこの時だからです。貸主側からは、不動産管理会社の担当者や工事を担当する工務店の人も立ち会いに参加する可能性があります。自分で壊した部分や汚した部分と元々あったキズや汚れ,経年劣化で生じたものなどが混同しないように、立ち会いの場でよく確認する必要があります。(入居時に室内を撮った写真や記録があれば、こちらも先方に提出します。)もちろん借主は、この明け渡しまでに自分でできうる限りのお掃除をしておくことも大事ですよね。
この立ち会いに当事者が出席していない場合や(例えば、借主が不動産会社の担当者に鍵だけ渡して退去するケース)、立ち会い時の確認が不十分で、原状回復に関しての認識に当事者間でズレが生じたままになっている場合に、多くのトラブルが発生します。
(3)物件引き渡しが終了し、工事業者の見積もりが出た後に、敷金の精算書などが貸主から借主に送られてきます(電話連絡の場合もあり)。その際に、敷金の中から差し引かれる金額だけが書いてあって、内訳(明細)がわからないものであった場合は、一般的に借主は貸主にその内訳書(明細書)を出すように請求することができます。
また、内訳書(明細書)の記載について曖昧でよくわからない場合には、その内容について問い合わせることも大事です。例えば、「備品の取り替え 一式 〜円」などと書かれていた場合に、何を取り替えるのかよくわかりません。
最後に、引っ越しのトラブルを防ぐためには、貸主と借主が気持ちよく関係を終わらせることができるように、お互いに「誠意」を持って話をすることが大切ですよね。そのチャンスは契約解除の連絡の時や物件引き渡しの立ち会いの際にあります。それでも、当事者間でトラブルが生じてしまった場合には、「調停」という第三者が間に入って話し合いでトラブルを解決する方法がありますので、当センターにお問い合わせ頂ければと思います。